一昨日までは40万程度あった口座に、気づいたら8万円しかない。

 

ああ、桁数を見間違えているんだ、なんだ、80万円に増えたのか、私ったら、ハハハ。いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、と桁数を指差し確認するも、目の前の画面には堂々とゴシック体で80,492円と表示されていた。

 

差額の32万円、一体どこへ行ったのかと、銀行のATMで1人青ざめた。狼狽を周囲のATM利用客に悟られないように、SUICAチャージ用の3,000円だけ下ろして、アプリでいそいそと入出金履歴を確認する。あちゃー忘れてた、引越しの初期費用とクレカの請求のダブルパンチだ。火災保険料、仲介手数料、鍵交換代だのなんの、不動産屋で契約前に初期費用を抑える交渉をした時の場のピリつきが脳裏に浮かんだ(結局、よく分からんクリーニング代とセキュリティサービス代金は払わずに済んだ)。それに加えて、引越しに際して必要な家具を全てクレカ支払いにした請求が、私の口座残額を一気に寂しいものにしてくれた。

 

もちろん、物件の初期費用明細もクレカの明細もしっかり確認して、引き落とし日に残高不足が起きないように注意していたし、今月は出費が嵩むからと、趣味の洋服も我慢してむず痒い日々を送っていた。洋服を我慢したむず痒い日々っていうのは、大好きな洋服たちを買わずもどかしい気持ちを表したもので、決して同じ洋服を着まくって不衛生だったわけじゃない。

 

そんな私も、口座に8万しかない時のリアクションまではシミュレーションしていなかったし、何より、

(口座残額)ー(請求額)=8万円

になるという計算ができていなかった。数学IIBの微積やベクトルの計算はちょいちょいとできるのに、何でこんな単純計算ができないのかは知る由もない。

 

そんなこんなで、いち大学生がバイトで頑張って貯めた6桁の貯金は、引越しというイベントの一過にあっという間に5桁に転落したのだ。

 

 

 

 

一人暮らしを始めて1ヶ月と1週間が経った。

 

7月も下旬、大学のテストやら課題やらをとりあえず提出し、夏休み初日に一息つく間もなく私は実家を出た。

 

学生バイトの身分でお金もないので引越し業者は呼ばず、120リットルのスーツケースに必要最低限の荷物だけを詰め込み、それを32℃の酷暑の下でゴロゴロと転がして新居に向かった。一丁前にサングラスに日傘を指し、大容量のスーツケースと歩いていると、「こんな情勢下で、遠くにバカンスかよ」と言わんばかりの視線が痛かった。

 

友人に「一人暮らし始めた」と伝えると皆「なんでや」と聞いてくれるのだが、それもその筈、新年度でもなければ、大学2年という微妙なタイミングで、お金もないのに、ましてや実家が大学の近くにあるにもかかわらず、家を出る理由など思い浮かばない。その理由を記そうとしたが、ちょうど頼んでいた出前が届いたので、また今度。

 

p.s. お笑いが好きな私は、芸人さんがギャンブルで負けて借金したり、「リアルな残高が20円しか無い」と言ったりしているのをよく耳にする。自分の中の悪魔が「手元に8万円もあるのなら余裕だろ」と囁くのを真に受けてチキンの出前を注文していた。

 

 

 

 

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